皆さま、こんにちは😊
秋になり、暑さも和らいできたこの時期。畳の上でゆっくりとした、静かな時間を楽しむのが好きなケコです。
抹茶を点てるとき、まず手に取るのが棗(なつめ)。
そこから、静かに茶杓を差し込み、抹茶をすくう。
茶杓ですくわれた抹茶が抹茶椀に移されるその瞬間には、言葉にならない静けさ。どこか神聖なものを感じます。
抹茶を点てる準備をするだけで、自然と背筋が伸び、心も静まっていきます。
道具を一つひとつ手にするたびに、その手触りや重さ、温かみが指先を通じて伝わってくるからでしょう。
茶杓で抹茶をすくう動作に集中していると、日々のあわただしさが嘘のように感じられ、時間がゆっくりと流れているように思えるのです。
抹茶の点て方にもその日の気分によって微妙な違いがあり、今日は少し濃いめにしてみよう、あるいは軽めにしてさっぱりといただこうと、自然と考えるようになります。
私の中では、こうした些細な変化がその日その時の心の状態を反映しているのかもしれません。
たとえば、ちょっと気合いを入れたい日には濃いめの抹茶を、リラックスしたい日には軽く点てた抹茶を選ぶことが多いです。
抹茶を点てるとき、茶杓を扱う手元に意識を集中させると、目の前にある「抹茶」という存在が、まるで特別な存在に思えてきます。
抹茶の粉を見つめ、その香りに鼻を近づけると、自然の甘さと青々しい香りが心地よく広がり、五感が研ぎ澄まされるような感覚が湧いてきます。
また、お気に入りの茶道具とともに抹茶を点てる時間も、格別の楽しみです。
たとえば、お気に入りの棗は、手に取るたびに少しずつ艶が増していく様子を楽しんでいます。
茶杓もまた、使い込むことで少しずつ色合いが深くなり、その変化が愛おしく感じられます。
茶道具は道具でありながらも、時を経るごとに自分の手に馴染み、思い出が宿っていくパートナーのような存在です。
こうした「道具を育てる」感覚は、私にとって抹茶をいただく時間をより豊かなものにしてくれます。
そして、そのひとつひとつの動作が、日常にちょっとした喜びと静けさをもたらしてくれるのです。
今、この瞬間に集中し、自分と向き合う。
その贅沢を存分に味わいながら、一服の抹茶をゆっくりといただく・・・。
「日常の中の特別なひととき」
皆さんも、自分だけの特別な時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?
その時間が、きっと心の落ち着きと安らぎをもたらしてくれるはずです。