当店の新茶は煎茶ですので、品質の違いは基本的に煎茶に似ています。価格の高いものほど、小さな若い新芽の状態で摘んでいますので、より若々しく、みずみずしい風味が強くなります。また、品質の高い新茶は、「毛茸(もうじ)」と呼ばれる新芽が柔らかい、ごく短いあいだにだけ生えている産毛のようなものが水面に浮きます。ほこりのように見えますが、とても品質の高い新茶の証拠です。
新茶とは?
新茶とはその年の春にとれたお茶のこと(=一番茶、宇治では5月初旬頃から)です。碾茶、玉露、かぶせ茶なども、もちろん新茶はありますが、当店では煎茶のみを「新茶」として販売しています。最大の魅力は、若々しく、みずみずしい香り。限られた時期にしかない新茶の香りは、春から初夏にかけての爽やかな季節を感じさせてくれます。若いが故に、味や香りの深みは熟成を重ねた煎茶には及びませんが、生き生きとした新緑の力強さを味わうことができます。
品質の違い
飲み込んだ後にごく薄く舌の上に残る。
もともと新茶は熟成が進んでいないため、明確に感じる甘味は少ない。
飲み込んだ後にごく薄く舌の上に残る。
甘味と同じく熟成がないため、明確に感じる旨味は少ない。
えぐ味がなく、渋味が少ない。非常に上品で、嫌みのない、清涼感、透明感のある苦味。
えぐ味を含み、渋柿のような刺々しさがある。角があり、きつい印象。
まるで新芽がなかにあるかような、新緑を感じる生き生きとした力強い香り。長く余韻が続き、香りに抑揚がある。
単に煎茶の香りだけで、新緑を感じない。香りに継続性がなく、鼻腔の奥に残らない。
美しい。表面が輝いていて、艶があり、手に乗せるとこぼれ落ちるほどつるつるしている。茶殻にぬめりがあり、非常に小さい。
太さや大きさがまちまち。表面に艶がなく、かさついている。
薄い山吹色に、若干の青み。鮮緑感と透明感が強く、薄さの中に存在感を感じる。
山吹色が濃くなり、鮮度感、透明感に劣る。
淹れ方
新茶は味よりも、香りを楽しむお茶です。香りは高温でいれるほど出やすくなりますが、同時に苦渋味も出やすくなりますので、サッと手早くいれることで、バランスを調整して下さい。
おすすめの淹れ方