煎茶とは?

煎茶は日本茶の中で一番多く栽培され、飲まれているお茶です。茶園に覆いをせず、日光をたっぷりと浴びることで、甘味、旨味、苦味、渋味がバランス良く生成され、煎茶独特の爽やかで透明感のある風味となります。近年は苦渋味を押さえ、茶葉を濃緑色にするために適採前に数日間覆いをする煎茶が多く、荒々しさを感じるような昔ながらの煎茶は少なくなっています。当店では茶葉の見た目が悪くなりますが、できるだけ覆いをしていない煎茶を選定しています。

品質の違い

煎茶は価格が高くなるにつれ、甘味、旨味、苦味、渋味のバランスが高次元で調和します。一杯の煎茶を飲み干したあとに、「もう一杯」が欲しくなるような煎茶を理想としています。

  • 甘み

    玉露やかぶせ茶とは甘味の感じ方が異なり、さっぱり感とキレがある。

    薄く、ほとんど感じない。あっても深みがなく、すぐになくなる。苦渋味などとのバランスが悪い。
  • 旨味

    甘味や苦渋味との調和がある。さっぱりとしており、後味に引っ張らない。

    ほとんど感じることができない。甘味の後に少し感じる程度で分かりにくい。
  • 苦渋味

    えぐ味と、渋味が少なくなり、心地よい上品な苦味。清涼感があり、嫌みのなく透き通っている。甘味などとのバランスがよい。

    えぐ味を含み、渋柿のような刺々しさがある。角があり、きつい印象。
  • 香り

    鼻腔の奥へ通り抜ける高貴で清らかな香り。熟成すると奥行きと深みが加わり、まろやかさが出てくる。

    香ばしさに勝る香りがない。複雑性がなく、単調。香りから瑞々しい新芽が想像できない。
  • 色味

    表面に艶があり、深緑色に光っている。細長い形状で、両端が細く、中央が少し太い。扁平でなく、丸い。美しさを感じる。

    太くごわついていて、扁平。葉脈が固く、大きい。表面に艶がなく、あせており、かさついている。
  • 水色

    赤みや黒みなのない澄んだ山吹色(緑色ではない)。

    赤黒みのある黄色。あせた色調で、彩度に欠ける。ただし、煎茶の場合は風味に影響がない範囲で、多少赤みがかってもよい。

淹れ方

煎茶は甘味、旨味、苦味、渋味がバランスが命です。苦すぎず、甘すぎない、食事にも、スウィーツにもあう煎茶は、毎日の生活に欠かせないお茶です。お好みや気分に合わせ、それぞれの風味を引き立たせましょう。

  • 少し甘味を効かせて

  • さっぱり感をたたせて