立秋。それでも、夏は終わっていない。

皆さま、こんにちは☺️
オンラインスタッフのケコです。

8月に入り、暦の上では「立秋」を迎えました。
「もう秋なの?」
そう思われる方も多いかもしれません。
実は私も、その一人です。

中村藤吉本店のある京都・宇治は、盆地特有の気候もあり、この時季は茹だるような暑さが続きます。
天気予報で目にする気温以上に、身体にまとわりつくような熱気を感じる日も少なくありません。
蝉の声はまだ力強く響き、冷たいお茶が何よりおいしい季節です。

だから、「秋」という言葉には、まだ少し早いような気もしてしまいます。
それでも、夕方になると、ふと風がやわらかく感じる日があります。
空を見上げると、夏とは少し違う雲が浮かんでいたり。
朝、窓を開けた瞬間の空気に、ほんの少しだけ軽さを感じたり。
そんな小さな変化は、気づこうとしなければ通り過ぎてしまうほど、ささやかなものです。

その瞬間に「ああ、季節はちゃんと次へ進んでいるんだな」と思うことがあります。
二十四節気の「立秋」は、秋が始まった日というよりも、秋の気配が少しずつ立ち始める頃と考えられてきました。
暑さが急に和らぐわけでも、景色が一変するわけでもありません。

昔の人は、目には見えない季節の移ろいを、暮らしの中で丁寧に受け取ってきました。
季節は、ある日突然変わるものではなく、少しずつ、静かに重なり合いながら巡っていくものだったのでしょう。
そんな季節の変化は、お茶を淹れていると、より身近に感じられることがあります。

真夏には、氷を浮かべた冷茶が身体に心地よく染みわたります。
けれど立秋を過ぎる頃になると、不思議と少しだけ味わい方を変えたくなる日があります。
氷を少し減らしてみたり。
水出し茶をゆっくり味わいたくなったり。
あるいは、ぬるめのお湯で淹れた煎茶の香りに心が落ち着いたり。
同じお茶でも、季節が少し動くだけで、その一杯が見せてくれる表情も変わってきます。

忙しく過ごしていると、季節はカレンダーの日付でしか感じられないことがありますが、
お茶を淹れてみると、昨日までは気づかなかった風や香りに出会えることがあります。
立秋。
京都の暑さは、まだしばらく続きそうです。
それでも、お茶を飲む時間だけは、少しだけ秋に近づいているのかもしれません。
今年も一杯のお茶とともに、その小さな季節の移ろいを味わってみませんか。

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