玉露とは?

玉露とは?

皆様、こんにちは😊 オンラインスタッフのケコです。
今日は、玉露(ぎょくろ)についてケコ独断の熱量を込めてお伝えしたいと思います。

玉露は、ただの“高級茶”ではない
「玉露」と聞いて、どんなイメージを持たれますか?
“高級”“甘い”“特別なときに飲むもの”・・・。

もちろんそれも正しいのですが、本質はもっと奥にあります。

玉露は、「静寂の美」を体現する茶だと思っています。
飲む人の心の深いところに、じんわりと染み渡る強い力を持っています。

覆い下という“光を奪う技術”
玉露は、「覆い下茶」と呼ばれる製法で育てられます。収穫の約20日前から、茶畑に覆いをかけ、日光を遮ります。

本来、植物にとって光は大切なもの。それをあえて遮るというのは、極めて逆説的。
遮ることによって、カテキンが抑えられ、旨味のもとであるテアニンが多く残るのです。
光を奪い、影で育てる。まるで茶葉を“静かに熟成”させるようなこの工程が、玉露独自の深みを生み出しています。

火入れと仕上げの繊細さ
摘んだ茶葉は、蒸し・揉み・乾燥を経て仕上げられますが、玉露はとりわけ火入れ(仕上げ乾燥)の加減が繊細です。
強すぎれば香気が飛び、弱すぎれば青臭さが残る──この微細なバランス感覚こそ、職人の腕の見せどころ。
玉露は、火入れの香りよりも“葉そのものの滋味”を前面に出すため、控えめで柔らかな仕上げが好まれます。

玉露の魅力は、なんといっても“旨味”です。でも、そもそも旨味って何でしょう?甘さとも塩味とも違う、不思議な味覚。
旨味の正体は、アミノ酸のひとつであるテアニンやグルタミン酸。玉露は、これらが豊富に含まれていることで、舌に乗せた瞬間、とろりとした感触とともに、じんわりと広がる甘みとコク。という、他のお茶では味わえない体験を生み出します。
人によっては、出汁と感じる人も。

一煎目は沈黙。二煎目で語り出す。三煎目は余韻。

玉露は、淹れるごとに味を変え、まるで飲み手との対話を楽しんでいるかのようです。
玉露を選ぶということは、「余白」を選ぶこと

玉露は、効率的に飲むお茶ではありません。
急いでいるときには向きませんし、喉の渇きを潤すものでもありません。
静かに、丁寧に、お茶と向き合う時間を与えてくれます。

忙しさの中で、自分に「余白」や「間(ま)」を与えるということ。

玉露を選ぶということは、時間と手間と味わいに、深く関わりたいと思う自分自身を選ぶということなのかもしれません。


「玉露とは?」は、単に茶の分類では語りきれません。
それは、「味わうということ」「豊かさとは何か」「静けさに身をゆだねるとは」──そんな問いとつながっているように感じます。

もしまだ玉露を飲んだことがない方がいたら、ぜひ一度、ゆっくりとお湯を冷ましながら、茶葉と向き合ってみてください。

そこには、静かだけれど確かな感動が、きっとあります🍃

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