初夏のひとときに、新茶のご褒美を
春の名残が空気に漂う頃、新茶の季節がやってきます。
摘みたての若葉のような、鮮やかな緑の香り。その香りを閉じ込めた涼菓子が、この「翠光寒天(すいこうかんてん)」です。
目にも清らかで、喉ごしはつるん。
ひんやり冷たく、口に含めばふわりと広がる新茶の余韻。
まるで初夏の朝露を味わうような、五感で楽しむ和のデザートをご紹介します。
材料(作りやすい分量)
水A(新茶用の水) … 300g
新茶 … 10g
水B(寒天用の水) … 250g
粉寒天 … 4g
グラニュー糖 … 25g
🌱茶葉はできるだけ新鮮なものを。香り高い一番茶がおすすめです。
作り方
1️⃣ 新茶を淹れる
まず、新茶の香りをしっかり引き出すところから始めましょう。
鍋に水A(300g)を入れて火にかけ、沸騰したら火を止めます。
すぐに新茶(10g)を加え、蓋をして30秒蒸らします。
茶葉を濾し、抽出したお茶を取っておきます。
濾した茶葉(小さじ1杯程度)は、後で彩りとして使います。
🌿このひと手間で、仕上がりの香りが格段に変わります。
2️⃣ 寒天液を作る
続いて、寒天を丁寧に溶かしていきます。
別の鍋に水B(250g)と粉寒天(4g)を入れ、よくかき混ぜながら中火にかけます。
寒天が完全に溶けたら、グラニュー糖(25g)を加え、さらによく溶かします。
✨寒天は必ず沸騰させて完全に溶かすのがポイント。
3️⃣ 仕上げ
香りと透明感のマリアージュ。
1️⃣ の新茶液と2️⃣の寒天液を静かに混ぜ合わせます。
最後に取り分けておいた茶殻を加え、やさしくひと混ぜ。
型に流し入れ、粗熱が取れたら冷蔵庫でしっかり冷やし固めます。
🌸数時間冷やすと、ぷるんとした透明感が生まれます。
盛り付けのひと工夫
ガラスの器に盛り付けると、翠(みどり)の美しさが一層際立ちます。
食べる直前に新茶の葉を少し添えると、香りがふわっと立ちます。
「翠光寒天」は、素材そのものの香りを楽しむ、やさしいお菓子。
新茶の季節にこそ味わいたい、贅沢なひと皿です。
忙しい日常のなかでも、このひと品があるだけで、ふと心がほどけるような時間が流れるかもしれません。
どうぞ、初夏の香りとともにお楽しみください。