日が少しずつ傾いて、
窓の外がオレンジから群青へとゆっくり色を変えていく頃。
家の中にも、自然と静けさが降りてきて、
自分の呼吸や気持ちが、ふと「今ここ」に戻ってくるような感覚。
小さなスピーカーから聞こえる、どこか懐かしく心を穏やかにしてくれるブルースが。
鍵盤のひとつひとつが、夕暮れの空気にとけていくようで、
やさしく、でもどこか深い余韻を残してくれます。
忙しい夕方にもバタバタしすぎず、
心にひとつ余白をつくってくれるような音楽です。
おともには、いつもより香りを立たせたくきほうじ茶を。
小皿に茶葉をのせて、電子レンジで数秒あたためて。
ほうじ茶ならではの、甘くて香ばしい香りがふわっと立ちのぼり、
まるで本店の暖簾をくぐった時に体験する、ほうじ茶の香りのよう。
そのあたためた茶葉で淹れる一杯は、
まるで夕方の光を飲んでいるような、やさしくて落ち着く味。
音楽とお茶。
どちらも、目に見えないけれど、
「今を整える力」を持っているなあ…と、私はいつも感じています。