玉露と碾茶(抹茶)の深い味わいの秘密

皆様、こんにちは😊オンラインスタッフのケコです。

今日は、日本茶の中でも特に高級とされる碾茶(てんちゃ)や玉露が、なぜ収穫後すぐに飲まれないのか。
その理由である「熟成」の必要性について、今日はお話ししたいと思います。
意外に感じられるかもしれませんが、この熟成期間こそが、茶の甘み・旨み・香りを最大限に引き出す鍵なのです。

🍵 なぜ碾茶(てんちゃ)や玉露には熟成が必要?
収穫後すぐに味わうのではなく、半年から二年ほど、低温で静かに寝かせます。

これはワインや熟成チーズと同じように、時間をかけて旨みと香りを整えるため。
熟成を経ることで、初めて“完成した味”となるのです。

熟成によって何が変わる?
1️⃣ 旨みと甘みの引き立ち
茶葉に含まれるカテキン(渋みや苦み成分)は時間とともに安定し、
一方で、旨みや甘みをもたらすテアニン(アミノ酸)がより際立ちます。
その結果、口当たりはまろやかに、余韻は長く、より上質な味わいへと変化します。

熟成中にカテキンの構造が緩やかに変化し、渋みが和らぎます。
これが、熟成後の玉露や抹茶が驚くほど柔らかく、コク深く感じられる理由です。

2️⃣ 香りの調和と深まり
仕上げ直後の茶葉は、青々しさが際立つ香りを持っています。
しかし、熟成によって揮発性成分が落ち着き、青さがやわらぎ、複層的で奥行きのある香りへと変わります。

 例えば・・・
ツンとした青い香りが丸みを帯びる
香りの持続性が高まり、口中に長く残る
立ち上がりに甘いニュアンスが加わる

これらはすべて、時間がつくる香りの調和の証です。

3️⃣ 味の安定と品質保持
熟成期間中、茶葉内の酵素は徐々に不活性化し、不要な化学変化を防ぐことで味のばらつきを抑えます。
この安定感は非常に重要です。

4️⃣ 茶葉表面の白い結晶の正体 ✨
熟成した玉露や碾茶の表面に、小さな白い結晶が見えることがあります。
これはカビではなく、アミノ酸やカフェインが自然に結晶化したもの。
旨み成分が豊富な証であり、熟成の恩恵を物語っています。

次に玉露や抹茶を口にするときは、
その背後に流れた静かな時間と、仕立てる人の想いを、ぜひ感じてみてください。

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