皆様、こんにちは😊オンラインスタッフのケコです。
毎日、日差しがじりじりと照りつけるようになってきましたね。蝉の声、空に浮かぶ入道雲、すっと伸びた朝顔の蔓 夏の気配が本格的に満ちてきました。
そんななか、私の心にすっと涼を届けてくれる存在が「風鈴」です。
風鈴といえば、軒先でカランと鳴る音、というイメージがあるかもしれませんが、実はこの“音で涼をとる”という文化には、昔から続く日本人の繊細な感性が詰まっているんです。
風鈴の起源は中国の「占風鐸(せんふうたく)」という魔除けから始まったと言われていますが、日本では平安時代にはすでに、貴族たちが音を楽しむために軒先に吊るしていたという記録も残っています。音色の中に“風”を感じる。実際に体に風が当たるわけではないのに、耳に届く清らかな音だけで「涼しい」と感じられる
これは、まさに五感の交差点とも言える感覚体験です。
風鈴はガラス製、陶器製、金属製など様々な素材で作られていますが、個人的に心惹かれるのは「南部鉄器」の風鈴。やや低く、深く、余韻の長い音が響き、まるで森の中に一瞬吸い込まれたような静けさが心に訪れます。
京都の夏は、蒸し暑く、どこか身体にまとわりつくような空気に包まれます。その中で、京町家の格子窓から聞こえてくる風鈴の音は、まるで目に見えない“風の贈りもの”のよう。古くから、京都の人々は、風を迎え入れる知恵と工夫を暮らしに取り入れてきました。葦簀(よしず)、打ち水、行灯のやわらかな明かり、そして、風鈴の音。
祇園祭が過ぎた頃から、京都の夏は本番を迎えます。
中村藤吉本店の店舗にも、“風”を感じる演出が加わります。カフェへと続く道に吊るされた風鈴の音を聴きながら、冷たい抹茶ゼリイを口に運ぶ。
それは、暑さの中でふっと心を鎮めてくれるひとときです。
風鈴の音がもたらす清涼感と、中村藤吉本店の冷たいお茶やお菓子がもたらす口の中の涼しさ。そのふたつが交差するとき、五感が静かに整い、日々の慌ただしさがふっとゆるむ瞬間が生まれます。
例えば「冷抹茶」を一服いただくとき、ただ冷たいというだけでなく、凛とした苦みと香りが、耳に届く風鈴の音色と呼応するように感じられるのです。
お茶という“静”の存在と、風の音という“動”の存在。どちらもとても小さな存在でありながら、心に与えるインパクトは決して小さくありません。
皆さんのご自宅にも、ぜひ風鈴をひとつ吊るしてみてはいかがでしょうか?
耳をすませることで“風を聴く”という体験が、いつもの日常にちょっとした贅沢を与えてくれます。そして、そこに中村藤吉本店のひとしずく、冷茶や生茶ゼリイ、涼やかな器に注がれた日本茶が加われば、きっと忘れられない夏の記憶ができるはずです。
暑い暑い夏の日も、五感を澄ませてみると、そこには小さな涼しさがちゃんとある。
風鈴の音に導かれて、ひととき心がほどけるような、そんな夏をお過ごしくださいね🍃
